タイダログ

もっと怠けますか? (y/n)

Microsoft Forms の「回答の並べ替え→抽出→色分け」を自動化する【Forms 編】

本記事に加筆修正した記事を公開しました。こちらをご覧ください。

taidalog.hatenablog.com

ここ数年で Microsoft Forms などの Web フォームでアンケートを取ることが増えてきました。いちいち回答の一覧をダウンロードして出席番号順に並べ替えたりフィルターをかけたりする作業が憂鬱で溜息が出るほど退屈なので、消失させるべく自動化の方法を調べてまとめました。

何をするかと言いますと、Forms と Excel を連携させて、回答を Excel ファイルに自動転記し、関数で自動的にソートやフィルターをかけます。

Microsoft Forms と Excel のそれぞれで操作が必要です。この記事は Forms 編です。Excel 編はこちら

動作環境

手順

  1. Excel ファイルを作成する
  2. Excel ファイルにフォームを追加する
  3. Forms の回答用 URL を取得する
  4. 数式を入力する(Excel 編)
  5. カスタマイズする(必要に応じて)(Excel 編)
  6. Excel の閲覧用 URL を取得する(Excel 編)
  7. フォームの引き継ぎをする

Excel ファイルを作成する

Forms 編と言いつつ、まずはブラウザ上で Excel Online を開きます。https://www.office.com/ からサインインするとこんな画面になるはずです。

f:id:taidalog:20211219201324p:plain
サインインした図

画面左端のアイコンから Excel を開いて、「新しい空白のブック」をクリックします。

f:id:taidalog:20211219201446p:plain
「新しい空白のブック」をクリックする図

画面左上からファイル名を変えましょう。後からファイルを探しやすくなります。また愛着が湧きます。

f:id:taidalog:20211219201528p:plain
ファイル名を変更する図

このファイルの保存場所はデフォルトでは OneDrive です。見つからなかった場合は https://www.office.com/ 内を探してください。

Excel ファイルにフォームを追加する

先ほど開いた Excel の画面上部の [挿入] タブに [Forms] というボタンがあると思います。なかったら Forms と Excel の連携はできません。ないんだったら自分で作ればいいのよ!諦めてください。

このボタンをクリックし、「フォームを追加」をクリックすると別タブでフォームの作成画面が開きます。思う存分編集してください。

f:id:taidalog:20211219202912p:plain
フォーム作成画面の図

今回は以下の質問を設定しました。

  • 学年
  • クラス
  • 番号
  • 氏名
  • 希望コース
  • 希望日

質問のタイトルは短くすることをお勧めします(理由は後述)。「学年を選択してください」ではなく「学年」にしましょう。説明を加えたいときは「サブタイトル」を使いましょう。

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サブタイトルに説明を加えた図

別の言語も追加できるようです(どこかに自動翻訳機能があった気が……ブラウザの機能だったかな)。

support.microsoft.com

注意
Web フォームを用いて情報を集める際は、教育委員会や学校ごとのセキュリティポリシー等を確認の上、禁則事項に触れないようにお気をつけください。
この記事を参考にしたことによるいかなる不利益に対しても私は責任を負いません。自己責任でお願いします。

質問の設定は一度きりだと思ってください。あとから追加や変更、削除をすると、以下のページのようにめんどうなことになります。

qiita.com

再度このフォームを開くには、Excel ファイルの [挿入] タブ > [Forms] ボタン > 「フォームを編集」をクリックするか、https://forms.office.com/ にアクセスしてください。

テーブルについて

初めに作った Excel ファイルに戻りましょう。'Form1' というシートができていて、セルが青くなっています。この領域を「テーブル」と呼びます。

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テーブルの図

先ほどのフォームへの入力内容は、このテーブルに転記されます。フォームの質問のタイトルがそのまま列の見出しになっていますね。タイトルを長くしすぎるとテーブルが見辛くなりますので短くしましょう。ちなみに「ID」から「名前」までは自動で入る項目です。

一見ただのおしゃれな色付きセルですが、強力な機能をいくつも備えています。今回関わってくる機能はこの辺りです。

  • セルのアドレスではなく、テーブル名で範囲を指定できる
  • 列番号ではなく、見出しで列を指定できる
  • データの追加に合わせて、範囲が自動で広がる

もう少し詳しいことはEccel 編へどうぞ。

フォームに回答を入力してみる

フォームの編集画面の「プレビュー」から回答を入力してみてください。するとテーブルにその回答が入るはずです。範囲が自動で広がり、シマシマ度合いが上がりました。

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テーブルに回答が入った図

Forms の回答用 URL を取得する

フォームの編集画面右上の「送信」または「共有」というボタンから、回答用の URL や QRコードが取得できます。

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回答用 URL を取得する図

URL の上の「すべてのユーザーが返信可能」というのは、文字通りこの URL を知っている人なら誰でもサインインなしで回答できるということです。ここを「自分の所属組織内のユーザーのみが回答可能」にすると、回答する際にサインインが必要になります(自動サインインできる場合もあります)。そこはめんどうですが、回答者のアカウント名が結果に載るようになるので記名式アンケートにできます。

数式を入力する

Excel 編で紹介します。

カスタマイズする(必要に応じて)

Excel 編で紹介します。

Excel の閲覧用 URL を取得する

Excel 編で紹介します。

フォームの引き継ぎをする

異動や退職等に備えて。まあ、一から作り直してもいいと思います。
※引き継げるのは質問だけです。回答は引き継げきません。

引き継ぎと言っていますが、作成したファイルやフォームをそのまま他の人に譲渡することはできないようです。代わりにフォームを複製して、その複製フォームを使っていくことになります。

引き継ぎたいフォームの編集画面右上の「送信」または「共有」ボタンをクリックし、「テンプレートとして共有」の部分で URL を取得して、引き継ぎ相手に渡してください。その相手が URL にアクセスして「このフォームを複製して、独自のフォームとして使用します。」の「複製する」をクリックすると、このフォームの複製が手に入ります。タイトルは適当に変えてください。複製を編集してもオリジナルに影響はなく、逆もまた然りです。

複製フォームができるのと同時に、引き継ぎ相手の OneDrive に(変更前の)フォームタイトルと同じ名前の Excel ファイルが出現します。このファイルは複製フォームと連携しており、ここに複製フォームの回答が転記されます(オリジナルの回答は残っていません)。この Excel ファイルにシートを追加し、数式を入力してリンクを共有してください。

ちなみに、複製した Excel ファイルですが、なぜか5個に分裂したことがありました。驚愕。どのフォームとどのファイルが連携しているかわからなくなったら、直観で選ぶか、フォームの [応答] タブの「Excel で開く」をクリックしてください。

複製したフォームを再度複製して、また次の人に引き継ぐこともできます。

参考

更新履歴